想い合ってたんだってさ。 (ページ36)

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学祭までの間、何度か集まってファッションショーの練習をした。友人は「ただ歩けばいい」って言ってたくせに、私とホソクは演技の練習までさせられた。でも相手がホソクだって分かってから俄然やる気の私は、家でも歩き方の練習をしたりなんかして、結構熱心に頑張ってる。

コンセプトは「王子様とお姫様のオフ」らしい。なんじゃそりゃ？って最初は思ったけど、スパルタの友人に付いていくのに必死で正直コンセプトのことなんてすっかり忘れてた。

学祭当日は朝から慌ただしかった。朝早くに集合して最後の練習をした。空き部屋を控え室として借りているようで、そこでヘアセットやメイクをしてもらった。人にメイクをしてもらうなんて初めてで、なんだか芸能人になった気分だった。

着替えがあるから控え室は男女で分かれているし、舞台にも両袖から別々に登場する予定だから、ホソクが今どんな感じに仕上がっているのか分からない。友人含めファッションサークルの人たちはバタバタと慌ただしく準備していた。

ヘアセットとメイクを終えて、舞台袖に移動する。着せられた衣装は、シンプルだけどラインが綺麗なドレス風ワンピース。ホソクは黒のシャツにジャケットらしい。襟がないタイプが今時でスタイリッシュなんだって。

一連の流れをイメージトレーニングしていると、出番が近づいてきた。だんだん緊張してきて自分の顔が強張っているのが分かる。

不安が増してきて、思わず反対側の舞台袖に目をやると、ちょうどホソクもスタンバイしているところだった。私と目が合うと、私の緊張に気付いたのか「落ち着いて」のジェスチャーをする。全然落ち着けないよ！って思っていると、今度は変なダンスを踊り出すホソク。あまりにも変な動きで思わず吹き出してしまった。でもおかげでリラックス出来たし、ホソクと一緒なら大丈夫って思えた。

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