想い合ってたんだってさ。 (ページ4)

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友人に案内されてダンスサークルの活動場所へ向かうと、少し離れたところから女子たちの黄色い声が聞こえてきた。これは想像以上の人気かも、と尻込みしそうになる私に気付いたのか、友人は私の腕を掴み強引に引っ張って行く。

「今更やっぱやめたは無しだからね！」

半ば諦めの境地で友人に引きずられながら進んで行くと、「多目的室」と書かれた部屋が見えてきた。廊下側にも大きな窓がついた部屋で、1箇所だけブラインドカーテンが開いている。入り口付近には既に数人の女子が群がっていたため、仕方なく窓から中を覗く。中にはテヒョンくんとホソクさんと数人のサークルメンバーがいた。ジミンくんはいないみたいだった。

よく知らないけどHIPHOPっぽい曲が流れていて。勝手なイメージで、ダンスの曲って爆音で流れてると思ってたけど、案外控えめなその音に安心する。それに合わせてピッタリ揃ったダンス。靴が床を擦る音まで揃っていて、思わず息を飲んだ。

なんていうか、すごくキラキラしてた。誰がとかじゃなく、雰囲気というか、全体的な空気感というか、とにかくキラキラしてた。今までダンスとかまともに見たことなかったけど、こんなに圧倒されると思ってなかった。

その中でも一際目を引いたのは。

しなやかに動く指先とか、ふわふわ揺れる髪の毛とか、細いのに男らしいふくらはぎとか。
一度目に入ったらもう私の目にはホソクさんしか見えなくて。楽しそうに踊ってるかと思ったら真剣な表情になって。こんな顔もするんだって冷静に見てる自分がいて。

ずっと見ていたいなぁって。

1曲踊り終えたホソクさんたちは、汗を拭いたり、振りの確認をしながら話をしている。声はよく聞こえないけど、表情は真剣そのもので、すごくダンスが好きなんだと伝わってくる。振りの確認をしているであろうホソクさんが、チラッとこっちを向いた気がした。その顔に笑顔はなくて、真顔というか、無表情みたいだった。気がした。

邪魔とか思われてたらどうしよう。ダンスのことよく知りもしないで押し掛けたのはマズかったかもしれない。

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