想い合ってたんだってさ。 (ページ15)

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それから大学のことやサークルのこと、地元のことなど他愛もない話をたくさんしたけど、全然話は尽きなくて、あっという間に家に着いてしまった。1人で帰る時と、今日と、同じ15分のはずなのに体感時間がまるで違う。

「あそこのアパートです」

「意外と近いね」

家が近づくにつれてお互い口数が減り、名残惜しさを共有しているような、そんな気分だった。話したいことはたくさんあるはずなのに、口から出そうになるのは、もっと一緒にいたいとか、寂しいとか、帰らないで欲しいとか、そんな重い言葉ばかりで思わず口を結う。

「じゃあ、おやすみ。また大学でね」

名残惜しいと思っていたのは私だけだったのか、ホソクさんは私の頭をポンって撫でるとあっさり帰って行った。私は「おやすみなさい」って返事をするだけで精一杯で、何も言えずにホソクさんの背中が見えなくなるまで見送った。

家の中に入ると余計に寂しさを感じて、交換してから1度も使っていないカトクルームを開く。今まで、何度かメッセージを送ろうとしたけど、話題がなくて送れなかったカトク。今日のお礼を送るなら自然だよね、って自分に言い聞かせてメッセージを打ち込む。途中で、敬語は無しだったって気付いて打ち直し。まだ慣れない距離感にドキドキした。

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