71 ページ21
「私、いつから彼女になったんですか?ていうか、私達付き合ってました?」
不動産屋に内見キャンセルの連絡を入れた後で、ふとした疑問が湧いた。
その疑問は多分私じゃなかったとしても抱く疑問だと思うのだが、ソファに胡座をかいてリラックスしてるユンギは'は?'と目を見開いて
「こないだ好きって言ったんだから、その時に決まってんじゃん」
と、何故か私がおかしいみたいなニュアンス、表情だ。
いやいやいやいやいや。
そんな馬鹿な話。
「ユンギさん、好きって言うのと付き合うかどうかは別ですよ」
「別じゃないだろ、子供じゃないんだから好きって言ったらその後は付き合うに決まってんじゃん」
「いえ、決まってません、ちゃんと付き合って?とか付き合おうとかそういう言葉があってから!彼氏彼女になるんです」
「はーーーーー面倒くさ」
面倒くさい?!
さっき親の目の前でユンギの口から出てるとは思えない様な、信じられない程甘くて歯が浮くような言葉を並べて置いて…!
付き合う言葉は面倒くさい、と?!
基準が分からない、というよりユンギが分からない。
そんな顔でユンギを見ていると、携帯をいじってた手を止めたユンギと目が合った。
唇は綺麗に閉じられていて目だけがジッと私に向いている。
髪が黒くなったからユンギの白い肌が余計に映えて見えるような。
「付き合って」
"何ですか?"と言おうとしたのに先を越された。
サラッと言ってのけたユンギのそれに私の方が面食らって、心臓がドンと大きく鳴った。
「、面倒くさいって言ったのに…」
「うん、面倒くさいけど言ったんだから、返事」
ユンギがまた、私の隣に座った。
わざわざ狭い場所に、ぎゅっと寄って肩がくっ付いたままで。
「返事聞きたいんですか?面倒なのに」
「別に、言わなくていいよ、勝手に
'貰う?'って顔をユンギに向けた瞬間、ユンギは確かに受け取った。
私にキスをするという形で、抵抗しないのを知っていて。
受け入れを"返事"として。
左の頬を包んだユンギの手はやっぱり大きくて温かくて、その手に触れずにはいられなかった。
486人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かむ(プロフ) - にゃんさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます🥹しかも新しいのまで!何回でも読み返して下さい!笑 (4月2日 15時) (レス) id: 5dfe42fd36 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - ユンギさんのお話最高でした!!最高すぎるのでもう一度読み返しに行ってきます!!(今更新中のお話もとても楽しく読んでます!私の日々の楽しみです!) (4月2日 12時) (レス) id: b48cf01a74 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - u512さん» 私のペンになんて嬉し過ぎます🥲✨私もいつも終わらせたいような終わらせたくないような気持ちで書いてます!(笑)最後まで読んで頂きありがとうございます🥹 (4月1日 10時) (レス) id: fb7c0dcb39 (このIDを非表示/違反報告)
u512(プロフ) - やはり最高です‼️‼️かむさんペンになってしまいました‼️一生終わらないで欲しいと毎度思ってます‼️最強に拗らせられました‼️‼️これからも楽しみにしています🥹✨ (4月1日 9時) (レス) @page34 id: 37a21340a3 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - 苺あめさん» 見てきたかのようななんて嬉しいです🥹こちらこそ読み続けて頂いてありがとうございます! (3月31日 20時) (レス) id: 03d417d136 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かむ | 作成日時:2024年3月27日 23時