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目は逸れてしまったけれどユンギから"ただいま"と返って来た事が衝撃的だった。
一瞬私の時間だけ止まったみたいに感じた。
いや、多分止まった確実に。

そんな馬鹿な事を考えてるうちに'これ'とユンギが真っ白い小さな袋を差し出して。


「昼ご飯のお礼、好きかどうか分かんないから適当に選んだだけだけど」


袋の口が大きく開いていて中が見えた。


「え、なんかいっぱい入ってますけど」


「7個しか入ってない、よく見てみ」


完全独り身の私に七個は多い方なんだけれど。
それともユンギからの"夜出かけるように彼氏でも作れよ"という無言も圧力なのか。
そんな訳ないか。

焼き菓子が詰まった袋を受け取る。
なんか今日は袋を受け取ってばっかり………


「あ!ユンギさん!」


思い出した。
急に大きめの声を出した私にユンギの目が少し大きくなっていた。
それから'なんだよ急に'といつものトーンで。


「ちょっと来て!ちょっと!」


ユンギの腕を引いて玄関の中に引き入れる。
だって中途半端にドアを開けたまま渡すような物じゃない可能性が高いから。


「何?!なんで中に」


「いいから、ちょっと来て下さいって、とりあえず」


もうすっぴんも見られてるし下手な歌も聞かれてるし、家の中は大して散らかってないし。
戸惑うユンギを手招きして先にリビングに向かうと、後ろから物静かな足音が聞こえてくる。

良かった、思い出して。
忘れないようにテレビの横になんて置いたくせに忘れかけるとは…
どれだけ抜けてるんだ、私は。

ユンギに貰った袋はローテーブルの上に。
今度はそれより三倍くらいはある高級ブランド店の袋を手にして、中途半端な位置にいるユンギに。


「これ、女の人がユンギさんに渡してって」


「女の人?」


ユンギの眉間に皺が浮かぶ。
困惑の表情だ。
でも、私は渡すよう言われただけだからそれ以外の詳細は分からない。


「栗色の長い髪の綺麗な人でしたよ、私より少し背が高くて…」


最大限のヒントになりそうな事を思い出しながら言葉にしていたが、それ以上は必要なさそうだった。
眉間に皺は無くなったけれど、紙袋を手にしたユンギの表情が明らかに陰ったからだ。

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かむ(プロフ) - サマンサさん» 彼には平然と煽ってもらいたくてこうなりました😂 (3月27日 19時) (レス) id: 03d417d136 (このIDを非表示/違反報告)
サマンサ(プロフ) - 煽り上手なユンギ痺れます...! (3月27日 17時) (レス) @page43 id: 950212af01 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - 苺あめさん» こちらこそ目を通して頂きありがとうございますㅜㅜ少しのんびり更新ですがにはなってますが是非最後までお付き合いいただけたら嬉しいです! (3月26日 12時) (レス) id: e587d3099d (このIDを非表示/違反報告)
苺あめ(プロフ) - かむさん、ユンギのお話をありがとうございます。ユンギと隣の彼女の関係が出会ってから急激に近くなって、でも元カノも出てきたりして、この先の展開が楽しみで仕方ありません。毎回、更新を楽しみにしています。これからも頑張って下さい。 (3月26日 10時) (レス) @page36 id: 3780d68ff4 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - にゃんさん» わーありがとうございます🥹そしてユンギペンさま…ご期待に添えられるかわかりませんが、良ければ最後までお付き合い頂けたら嬉しいです🥹 (3月21日 9時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月20日 20時

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