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たった一度
ユンギの事務所に行ったことがある




今となっては後悔しかないけどね








==






あの日
仕事が休みだったので朝から洗濯機を回していた


昨日珍しくユンギが帰ってきたから
洗濯物が2人分あって





『ふふ』






普通なら洗濯物は少ない方がいいんだろうけど
私にとっては彼の分身みたいに思えて嬉しかった






次々と洗濯機に入れる私のユンギの服


パッと掴んだ瞬間に
知らない匂いがした







『ん?ユンギって、こんな匂いだったっけ・・?』





ラベンダーみたいな香り

彼がつけてる香水はずっとベリー系





だからはじめは
こんな匂いの柔軟剤かな、くらいしか思わなかった

(普段は自分で洗濯してるし)



でも







シャラン






『えっ・・』





シャツのポケットから出てきた女物のピアスに
時間が止まる






疑ってない

そう言えば嘘になる




でも信じたい

そう言うと疑ってるみたいで





胸がざわついた






私の手のひらでキラリと光るそれに

不安で、寂しくて
ユンギに会いたくて

居ても立っても居られなくて
気づけばタクシーに乗り事務所の前まで来てた



彼がここにいるか、スケジュールなんて知りもしないのに
あーなんて衝動的な行動をとってしまったんだろう







『・・どっちにしろ、無理なのにね』



ここまで来たけどどうしようもない
私には中に入ることすら許されていないから








"夫に会いに来ました"




そうあの受付のお姉さんに言えたなら
どんなにいいか


左手の指輪を摩った







"Aさん?"



顔を上げると結婚報告をした時に会った社長さんがいた






『え、あっ、お世話になっております!』




この事務所で私という存在を知る
唯一の人






社長「久しぶりだね。今日はどうしたの?会いにきたのかな?」



誰に、とは決して言わない社長


そりゃそうか
極秘だもんね


でも言って欲しかった・・な








『えぇ、ちょっと渡したい物があって・・』



社長「ほぅ、じゃあ入れば?あーすまない持ってなかったね。君、この方をお通しして」

警備員「はい、社長!」





『ありがとうございます』








社長「・・頻繁には、困るよ?」



少し圧をかけ社長は消えていった





私は

はい、と言うしかなかった








家でも会えない

事務所にも来れない




じゃあ

いつなら会えるんだろう





いつになったら

ユンギの妻です、と




声に出して言えるの?

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設定タグ:BTS , SUGA , ユンギ   
作品ジャンル:恋愛
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ミンの甘露煮(プロフ) - 名などないさん» コメありがとうございます!楽しんでいただきよかったです🫶新しい作品書きかけてますので、またご覧いただければ幸いです☺️ (3月25日 20時) (レス) id: b88aa79b26 (このIDを非表示/違反報告)
名などない - 本当に面白いお話でした! (3月25日 20時) (レス) @page50 id: 2206d7c546 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミンの甘露煮 | 作成日時:2024年2月16日 20時

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