-任務完了 ページ16
「あ、DITEちゃん」
『...お疲れ様です』
結局ジョングギの出番は無いかな。
と思いきや廊下で監督に出くわしてしまった。
「DITEちゃん、今度ご飯とかどう?」
『申し訳ないです。
そういうことはマネージャーを通さないとダメな決まりなんです。
ですからマネージャーに言って...頂けないでしょうか』
「えー、そんなの良いじゃん」
そう言って肩を組んでくる監督に苦笑いをこぼす。
良くねえって言ってんだろ。
はっ倒すぞ。
「ね?
仕事ももっとあげるからさ。
連絡先教えてよ」
『っ...』
突然胸を触られて思わず腕を振り払う。
コイツ触ったどころじゃない。
揉みやがった。
私の行動が気に障った様子の監督は大きさため息をついてつま先で音を立て始めた。
「言っとくけどさ、俺の言葉一つで君達の仕事無くせんの。
テレビ局にだって知り合いがいるんだぞ」
『好きになさってください。
テレビに出なくたって、広告モデルにならなくたって、私達はやっていけます』
馬鹿にしないで。
私達はアイドルなの。
アーティストなの。
自分達の歌声だけでどこへにだって行ける。
JK「はーい。
これ以上うちのヌナに触らないでくださーい」
しばらく睨み合っていれば突然そんな声が聞こえてくる。
見るだけでも骨が折れるんじゃないかってくらい強い力で監督の腕を掴むジョングギ。
反対の手で私の腕を引き、庇うように背中側に誘導された。
そんなマンネをにらみつけた監督だけれど、ジョングギは彼の目の前にスマホを突き出す。
JK「撮ってるんで。
二度とヌナに触ろうなんて思わないでください」
『ぐが』
JK「あ"ー。
ヌナ、この服捨てていきましょう。
俺のパーカー貸します」
控え室に戻った瞬間服を脱がされる。
首を傾げるメンバー達に状況を説明すれば、あっという間にユミオンニ達に話が行ったようで、廊下から慌ただしく人が動き回る音が聞こえて来た。
『仕事増やしちゃったかな』
JK「馬鹿言わないでください」
『うん...ごめん。
来てくれてありがとね』
JK「対処できて良かったです。
でも...ヌナも録音してましたよね?」
『...まぁね』
でもジョングギは私を守れて(?)嬉しそう。
暑苦しいくらい私を抱きしめてくるマンネを見ながら、私はボディーガード雇う必要ないからコスパいいよな、なんて考えたりした。
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作者名:まりも | 作成日時:2024年3月12日 1時