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今頃彼は仕事?____
昨夜、眠気まなこに追いやった携帯の行方を見つけては更に驚く事態になっていた。
全ての通知は彼からで。【本当にごめん】【言いすぎた】【家に居るんだよね?】【無事に帰ってきたら連絡して】【なんで電話に出てくれないの?】【一言でもいい声が聞きたい】【(人1)が大好きなんだ】【明日、迎えに行く】【仕事終わったら連絡するから】
こんなに沢山のメッセージ。彼は寝れたんだろうか。そこが一番の心配だった。私の事よりも自分のことを優先してほしいのに。
彼はいつもそうだ。私の事ばかり気にかけてくれて愛されてるんだって充分実感してるつもり。
でも、
【暫く自分の家に帰るから、】
今は最優先すべき彼の気持ちに寄り添うことができなかった。
彼も私もドラマが終わるまで距離を置いた方がいい。私の勝手な判断だけど、これ以上どうでもいいことで悩みたくないから。お互い嫉妬で離れ離れにならないように。
心を落ち着かせる時間を大切にしたい。
・
それから、あっという間に一日が終わって。事務所のソファでぐったりと項垂れていた。
「(人1)さん、明日撮影の台本に修正が入って。こっちが新しい台本です」
『ありがとう、____へぇ、結構変わっ』
「……、(人1)さん、大丈夫そうですか?」
思わずある項目で停止した私。それを見てすぐに声をかけてくれたマネージャーは、表情から見て心配の二文字だ。
撮影が始まって早2ヶ月。周りの煽りと反して、わざとそのシーンを作らないんだろうとばかり思っていたのだが、修正台本に書き加えられた、テヒョンと私のキスの文字。
しかもそれは、軽くぶつかった程度のキスではなく。どちらかと言えば感情が高ぶった後の深く甘いキスを指示されている。
『…あっちの事務所は何か言ってるの?』
「いいえ。…本人のやる気に任せると仰っています。」
『そっか。…やるよ』
「……はい。承知しました」
こんなにドキドキするキスシーンは初めてかもしれない。決まった直後から私の心音は煩かった。
元彼とのキスに波紋は生まれないだろうか、グゥはどう思うだろうかって。でも、なんかそんなのどうでもよかった。元彼じゃなく友達なんだって思いの方が私は強いから。
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あんこ(プロフ) - 展開が全く読めず、ドキドキしながら読み進めています。10の公開楽しみにしております。 (2022年7月11日 21時) (レス) id: b5da8987a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 一番好きな作品です!更新楽しみにしています! (2022年6月27日 1時) (レス) id: b3bd6e397d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新楽しみにしてました!何回も読んで毎日更新ないか楽しみにしています!大変だと思いますが頑張ってください。とってもおもしろいです! (2022年6月23日 13時) (レス) @page50 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chay | 作成日時:2022年3月13日 0時