Pseudo romance#9

#440 ページ41

テヒョンside



「タニあー！もう、」




『あはははっ！…可愛いなぁ、おいで！』




「タニは飼い主さんよりも(人1)さんに懐いてるようですね」




先日ドラマ組でバラエティー番組の収録が行われた。メインは勿論(人1)ではなく、何故かタニが注目されて。かえってそれが俺と(人1)の距離を自然に見せてくれたが。



こんな時もタニは(人1)を溺愛し続ける。飼い主のメンツが立たない非常事態に陥った。






「…こう見ると、夫婦みたいですね」




現場が凍りついたこんな発言も、




『…私とタニがですか？』




(人1)のひと笑いに救われて。出演者を笑顔にしてくれた。俺達の関係もイジられるほどまでになったことに大きな成長を感じる。



まぁ大半がカットされるだろうけど。






「…まぁ、お二人もドラマ同様その恋人という括りだったわけじゃないですか、」






「お互いの好みは勿論ご存知で？」




「……、まぁ」



『彼はかなり好き嫌いが激しかったぐらいしか覚えてません』




「あはははっ！！！」




初めて二人で表舞台に立って。言葉にはできない不安が拭えなかったけれど、こんなにも思い出を振り返り笑い合えるとは思いもしなかった。


(人1)もこんな俺と目を合わせてくれて。テレビの前だけでも、あの時と変わらない笑顔を向けてくれたこと、




「今だから聞いてもいいです？何と呼びあっていたんですか？…その昔と今はやっぱり違うの？」




「えっと…僕は、(人1)……っ｣


「……っおっ。(人1)さんとテヒョンさんのマネージャーがザワザワしてますけど。＿＿＿まぁお互い呼び捨てですよね」



｢あ、でも僕の愛称がテテだから、たまにネネって呼んで｢何故？！｣



｢……ふふっえっと彼女がよく日本語で語尾にね？ね？って聞いてくるから｣



｢可愛い〜！！流行りそうだ｣



『……言わないでよ！』




こうやって分け隔てなく話してくれるから。当時のあの想いが蘇ってきた。



放送後も反響は凄くて。二人が恋人だったことに堂々としてる姿勢が最高だったと、思い出話もっと聞きたかったとか照れてる二人が見れてドラマも楽しみになってきた、とか。



色んなファンが俺達に関心を持ってくれていることが嬉しい。




ただ彼女のジェジにとっては。とても悪い知らせのようで俺の家へと無断にやってきては機嫌が悪かった。

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