#436 ページ37
「キスが上手だとか、(人1)が一番分かってんじゃん」
突然どうしたんだ、って呟いては。はっと笑って。「可愛い嫉妬だね」と再度抱きしめてきたが。肝心の答えはまだ出てない。
人は興奮していない状態で舌をいれたりするんだろうか。…そういえば彼は私とのお芝居でも、アドリブでキスしては舌を絡めてきてたような。
あの時は別の思惑を感じずにはいられなかったけど耳元で愛の言葉を囁くことですら役になりきっては簡単にやってこなす彼だから。無意識に求めてしまうのは職業病だろう。
単純にジェジちゃんの目に映るジョングクが好意的にならなければ、それでいいか。
「……傷つけるつもりないけど、もしジェジさんに何か言われて悩むことがあったら、すぐ俺に聞いて？安心させてあげれるから」
『…っうん。』
「……(人1)、俺も一つ聞いていい？」
『なに？』
「…その、どエ ロいキスは。誰に教えてもらったの？」
直後、言葉に悩む隙もなく重なった唇は、息も唾液も奪う。とても苦しいけれど病みつきになるキスだった。子供のような強引さと大人のような余裕もある、
彼のキスが上手だというのは、その使い分けができるからだろうか。
一瞬で脳内を彼でいっぱいにされた後は、体を思う存分弄ばれている。どれほど体を重ねても私に残ってる元カレの残像に悩まされている彼は、いつも余計に力が入るのか。
日に日に激しさが増していく。それは日常にも影響しているかのようで。
「……近々ね。ここに、(人1)の名前を入れようかと思ってるんだ」
『えっ？！待って、それはやめてよ！』
「どうして？俺達の未来を叶える願掛けでもあるんだ。一生消えないでいいんだけど、(人1)にとってそれは重荷かな？」
『……、いや。そこまでしなくても……っ！、………もっとさ別のやり方で願掛けしようよ！例えば…グゥと私の願いが叶うまで、お互いの好きな食べ物を絶つとか。』
「……そう。考えとく。」
彼の依存気質に拍車がかかる。愛情深いと言えば言葉は良いが。時に今のように残酷な言葉を耳にすることもあって。
言葉とは裏腹に笑顔を作ることが多くなった。
あまり口出ししないと決めていたけど。彼の為に全て肯定してあげるべきなのか。彼の根底にある不安を取り除くべきなのか。
何気ない話をしながら。頭を悩まし続けている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 273人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんこ(プロフ) - 展開が全く読めず、ドキドキしながら読み進めています。10の公開楽しみにしております。 (2022年7月11日 21時) (
レス) id: b5da8987a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 一番好きな作品です！更新楽しみにしています！ (2022年6月27日 1時) (レス) id: b3bd6e397d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新楽しみにしてました！何回も読んで毎日更新ないか楽しみにしています！大変だと思いますが頑張ってください。とってもおもしろいです！ (2022年6月23日 13時) (レス) @page50 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chay | 作成日時：2022年3月13日 0時
