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「…この話はまた今度にしましょう。……ジェジさん、まだ名もしれ渡ってないうちからのスキャンダルは誰も助けてくれないわよ」
「……はい、すみません。」
「今日は見なかったことにしておきますから。…二人で好きにしなさい」
「待ってください!…社長、…(人1)さんの熱愛はいいんですか?ジョングクさんとの交際は私よりも好き勝手してますよね?」
「………、はぁ。いいか悪いかと言われれば勿論悪いです。でもジェジさんとは立場もキャリアも違う。まだ貴方と(人1)では月とすっぽんなんです。特別扱いではないけどそれなりの道なりを(人1)は乗り越えてきたからこそ区別してもいいと私は思ってる。」
「…っ、」
「納得したのなら、もう馬鹿みたいな質問してこないでね。…マネージャー、ジョングク君に連絡してあげて。(人1)、死んでる」
「…はい!____(人1)さーん、また水持ってきますね」
『…うー、』
ソファに力なく倒れ込んで。私は譫言で、ずっと。『グゥ、グゥ…』と名前を呼んでいた。すぐ近くにテヒョンとジェジちゃんが居るとも知らずに、ふわっと掛けられた上着に身を縮こませて目を瞑る私は、
何故かとても幸せな気持ちでいる。
「手伝いますよ」
「…あ、でも。」
「(人1)は体を起こしてあげないと水を飲もうとしません。…俺に任せてもらっていいですか?…いいよなジェジ」
「……、勝手にどうぞ」
優しい。落ち着くこのリズムは何だろう。髪を撫でてくれる、その指先も。心地の良い声のトーンも、体に馴染んでいる温もりも。私の心にダイレクトに響く。
水を飲ませてくれる、その不器用な手つき。私は、
『…大好き』(ボソッ)
「…、」
いつもね、どんなステージに立っていても。彼がどんなパフォーマンスをしていても、彼の気持ちに寄り添える人になりたいと思っていた。
彼女としての完璧を求められてる気がしたから。弱みは見せられない、強くないといけない。彼が好きな女性になりたいが為に、失ったものは多かった。
それなのに別れても尚、彼が私に残していった体に刻み込まれた爪痕と心に空いた僅かな穴が痛み出す。
____それがテヒョンとの恋愛だった。
でもね本当に愛してた。それでも愛そうとしたんだ。
「……、(人1)!!!」
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あんこ(プロフ) - 展開が全く読めず、ドキドキしながら読み進めています。10の公開楽しみにしております。 (2022年7月11日 21時) (レス) id: b5da8987a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 一番好きな作品です!更新楽しみにしています! (2022年6月27日 1時) (レス) id: b3bd6e397d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新楽しみにしてました!何回も読んで毎日更新ないか楽しみにしています!大変だと思いますが頑張ってください。とってもおもしろいです! (2022年6月23日 13時) (レス) @page50 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chay | 作成日時:2022年3月13日 0時