#432 ページ33
「……っ、おい何してんの?」
『!……っ、』
すると突然、グイッと後ろに腕を引かれては。勢いあまりその体に飛び込んで、視界は一気に真っ暗。
この感覚、この匂い。どこかで嗅いだことある、____グゥだ。グゥがピンチを察して来てくれたんだ。私は呑気に幸せを噛みしめながらその体に腕を回すものの、
やけに辺りは騒然としている。
「…どうして?、どうして貴方がいるの?
____キムテヒョンさん」
「……っあ、実は。」
「テヒョンっ、!やっと見つけ…____た」
『…?』
この時は自分がしでかしていることに、まだ何も気付いていなくてのうのうと。ただ大好きな彼の腕の中に包まれてるその感覚に浸っていた。
顔を上げれば、そこには悪夢のような光景が待っているとも知らずに。
「…マネージャー。これはどういうこと?(人1)…っ、あんた誰を抱きしめてるか、分かってるの?」
『…な、ーにー、頭痛い。』
「…いやいやいや、待って。ジェジさんは、キムテヒョンさんとどのようなご関係です?」
照明が眩しい。何の話なのか、ゆっくりと重い瞼を開けてみると、声の主である社長その横に私のマネージャー、向かい側にジェジちゃんとそのマネージャー。
皆に囲まれて、飲みの席なのに圧迫感しかない。しかも声色といい序盤のテンションとは程遠いのだが。話の根本は未だ理解できていないまま。数回瞬きして、すっと顔を上げてみる、
「…すみません。報告が遅れたのですがテヒョンさんとお付き合いさせて頂いてます」
「はい?!!『あー!!!!!』
こんなの声を上げられずに居られますか?ジョングクがテヒョンに見える恐ろしい現象に頭は真っ白になった。疲れすぎてる、さっきからテヒョンがテヒョンは、って彼女に洗脳されたばかりに。
『グゥ、…ごめんね、飲みすぎちゃった』
間違えるなんて、彼女失格だ、____
「…いや(人1)俺は「(人1)!しっかりしなさい!」
今度は社長に体をぐわんと持ってかれて。思わず吐き気に口を抑える。そして耳元には頭が痛くなる社長の呆れた声。「また、うちの若い芽を摘むつもりですか?」____なんて。
マネージャーに水を渡されて。遠慮なく飲み干す私は。二人の重い会話にどことなく耳を傾けてみるが、まだ瞳は虚ろ。
273人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんこ(プロフ) - 展開が全く読めず、ドキドキしながら読み進めています。10の公開楽しみにしております。 (2022年7月11日 21時) (レス) id: b5da8987a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 一番好きな作品です!更新楽しみにしています! (2022年6月27日 1時) (レス) id: b3bd6e397d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新楽しみにしてました!何回も読んで毎日更新ないか楽しみにしています!大変だと思いますが頑張ってください。とってもおもしろいです! (2022年6月23日 13時) (レス) @page50 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:chay | 作成日時:2022年3月13日 0時