#428 ページ29
『…あ。言うの忘れてた、今日歓迎会なの。グゥの家に泊まりたいんだけど、遅くなりそうだし。今夜は自分の家に帰るよ』
「は?!そうなんだ…。別に遅くなってもいいから帰ってきてよ。俺迎えに行くし。」
『本当に、!遅くなったら明日の仕事に支障が出るでしょ?帰ったら遅くなっても絶対に!メッセージするから』
『ねっ』と俺の機嫌を損ねないように抱きついてきた(人1)。どうしても俺に来て欲しくない理由がありそうだ。
納得いかないけど(人1)の事務所絡みならまだ、そこまで心配するほどではなさそうにしても。念の為、用心しよう。
『んんっ』
そんな露骨に甘い顔するな。首筋から舌を這わせて。鎖骨から胸元まで俺の唾液でいっぱいにした。策士に赤い印をつけてやろうと企んだだけなのに。それだけじゃ終わらなくなりそうなぐらい興奮してしまう俺。
でも移動車な上にマネージャーの目もあるし。そっと体を離したものの。小刻みに震える(人1)の体は、俺を誘惑し続ける。
「…どう?続きやりたくなった?」
『本当に…意地悪。』
家に着くまでの間。(人1)がやっぱり俺と熱い夜を過ごしたいと思わせることが出来れば俺の勝利。度が過ぎるイチャイチャで俺の方が興奮してしまったら俺の負け。
潔く、(人1)を飲み会へ送り出してやろう。
だから最後の足掻き。照れた顔を隠すかのように俺の胸に飛び込んできた彼女の耳に食らいついた。弱点であり性感帯を攻めるズルい作戦だとしても、
首元に感じる、彼女の吐息は俺の腰までも砕けさせる麻薬のようで。俺の体は無意識に負けを象徴させていた。
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『…行ってきます!』
「…はい。…気をつけて」
____完全敗北。
(人1)の家にお邪魔した段階で、もはや勝利は目の前だったのに。慌てて俺の腕をすり抜けては、飲み会への準備を急ぐ彼女。
スイッチが何故あんなにも簡単に切り替わるんだろうな。邪魔しようとキスをほのめかしても。『時間が無いから。後でね』(人1)の優しさで静止させられるし。
俺を怒らせにきてるような服装ばかり。何度も時間をくってるのは(人1)のせいだった。
「はぁ……っ」
帰る時は戸締りしてね、なんて言われたけど。(人1)が無事に戻ってくるのを、ちゃんと確認するまで帰らない。
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あんこ(プロフ) - 展開が全く読めず、ドキドキしながら読み進めています。10の公開楽しみにしております。 (2022年7月11日 21時) (レス) id: b5da8987a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 一番好きな作品です!更新楽しみにしています! (2022年6月27日 1時) (レス) id: b3bd6e397d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新楽しみにしてました!何回も読んで毎日更新ないか楽しみにしています!大変だと思いますが頑張ってください。とってもおもしろいです! (2022年6月23日 13時) (レス) @page50 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chay | 作成日時:2022年3月13日 0時