#424 ページ25
一先ず俺はスタジオを前にして踏み入る勇気がでないでいる。
(人1)がヒョンと仲良さそうにしている姿を見れば、余裕のない俺はまた盾突いて。次こそ取り返しのつかない事態を招くことになるだろう。
俺自身の為に会いたいけれどここは我慢して。先に謝るのが筋だ。今夜、彼女の家に行ってみようかな。
「あ、ジョングクさん!…(人1)さんに呼ばれたんですか?へへ、私はテヒョンに呼ばれたんです。もう終わってるらしいし、ほら行きましょう?」
「あ、いや!俺はやめとくよ!」
「何遠慮してるんですか?ほら、ほら!彼氏だって堂々宣言できるチャンスですよ!」
分かってないな、仕事現場で俺が彼氏です、なんて勝手に現れた所で(人1)の怒った顔が目に浮かぶ。それでも意志が弱いのか彼女の力はたかが知れているのに。半場強引に手を引かれてはスタジオの中へ入ってしまった、
ただ直視はどうもできなくて、思わずハットを深く被っては視界を遮断する。
「テヒョン…っ、」
ふと隣に佇む彼女から消えそうな声が聞こえた。
それは紛れもなく嫌な予感を匂わせているのにも関わらず。曇った表情の先を俺は辿ってしまう。
しかし、そこには一見何の不都合もない、キムテヒョンと抱かれたヒョンのペット、タニの姿のみだ。一体彼女は何を思い詰めているんだろうと俺が安心した束の間、
タニはヒョンの腕をくぐり抜け。一目散にある人物に駆け寄る。それが彼女の表情を曇らせる原因となった、見るもの全てを魅了する笑顔で振り向く(人1)だ。
タニがまるで2人を引き寄せるかのように、離れていた距離がぐんと縮まったと思えば。困ったように笑うヒョンはタニを撫でる(人1)をただ見つめている。
二人がどのような会話をしているのかまでは分からないけど、見つめ合うな。触ろうとするな。身勝手に俺は腹を立てては凹んで。
「…、おい!」
でも隣の彼女は俺以上に余裕がないらしい、怒りに任せて。二人の元へ向かってしまった。
仕方なく俺も、僅かに距離を保ちながら近寄ってみる。
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あんこ(プロフ) - 展開が全く読めず、ドキドキしながら読み進めています。10の公開楽しみにしております。 (2022年7月11日 21時) (レス) id: b5da8987a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 一番好きな作品です!更新楽しみにしています! (2022年6月27日 1時) (レス) id: b3bd6e397d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新楽しみにしてました!何回も読んで毎日更新ないか楽しみにしています!大変だと思いますが頑張ってください。とってもおもしろいです! (2022年6月23日 13時) (レス) @page50 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chay | 作成日時:2022年3月13日 0時