#420 ページ21
『…私が出演したら迷惑になるよ。』
「なりません。…前回のように(人1)さんが仕事をやりづらくなるようなことは一切ないと断言します。」
『…何故?』
「オファーを受ける条件として。トラブルに巻き込まれないよう、制作側に考慮してもらうと同時に、もし(人1)さん本人が精神的苦痛を感じた時点で義理もなく降板し法的処置をとると。社長が約束してくれました。」
『…え、』
「ですので、(人1)さんらしく。何も縛られずに演じて見て下さい。」
いつかの社長から【(人1)がもっと輝ける場所を作ってあげるから】うんざりするほど聞かされていた、ただの理想像。お酒片手に馬鹿にしたあの瞬間を思い出した。
社長はそれを現実にしたのか。今の私には感謝の気持ちよりも重くのしかかるプレッシャーのようだった。
私はそれに順応できる自信がない。期待値が高まるごとに体は萎縮して。賞を貰う度に、評価されることが怖く思う。
いつか見放される、そのいつかに怯えて過ごしている私をずっと社長は見捨てないで居てくれるのかな。
『頑張れるか、分からない…』
「……そんな頑張れなんて言いません。何もかも当たり前だとも思っていません。だからこそ、毎日(人1)さんと共に奮闘していきたいと思っています。」
『…ありがとう。』
「いいえ。なんでも仰ってください。」
口にしなくても、いつも私の気持ちを汲み取ってくれる。本当に凄いマネージャーだと思わせられてばかりだ。
信頼で成り立っている私達の関係は不思議と自分自身の為じゃない、相手の為にって思う事ばかりだよね。私の続編の話だって真っ先に会社の利益ではなく私の保身を心配してくれた。本当に感謝してる。
だからこそ代役に賛成したのだが。それから数日後。「ねぇ(人1)、何考えてんの?」__そのことでグゥと口論になってしまって。
素直に、頑張ろうと言えない現状もある。
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あんこ(プロフ) - 展開が全く読めず、ドキドキしながら読み進めています。10の公開楽しみにしております。 (2022年7月11日 21時) (レス) id: b5da8987a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 一番好きな作品です!更新楽しみにしています! (2022年6月27日 1時) (レス) id: b3bd6e397d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新楽しみにしてました!何回も読んで毎日更新ないか楽しみにしています!大変だと思いますが頑張ってください。とってもおもしろいです! (2022年6月23日 13時) (レス) @page50 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chay | 作成日時:2022年3月13日 0時