#403 ページ3
『包丁気をつけてね』
「…っ、」
見ているこっちがハラハラする包丁さばきは初めて見た。あまり彼女の性格上口に出すのはご法度だろうとは思うけど。
『あ、…もうちょっと、小さい方が。火が通りやすい、かな…?』
「…私。包丁嫌いなんです。味付け任せて貰ってもいいですか?」
『はい!…お願いします』
機嫌を損ねないようにするのもまた大変だ。
まるで女版、テヒョンみたいじゃない?褒めると喜んで、余計な事をしようとするし。少し口を挟めばムッとして。初見で感じた良い子だってのは変わりないんだけど、強い癖がどこか人を寄せ付けない。
役者としてはマイナスな点に気付いてしまった。
「(人1)さん、これってもしかして日本料理ですか?」
『あ、…うん。私が韓国料理に慣れてなくて。』
「…ふーん、よかったですねテヒョンと結婚しなくて!」
『えっ、それって…どういう、「ここは韓国ですよ。日本料理で自慢げにされても。二人とも馴染みのある味の方が美味しく感じるに決まってるんです」
「テヒョンが母国料理をいかに愛してるか、(人1)さん知らないんですね。…まぁ、もう(人1)さんには関係のないことですけど、」
韓国人マウントは日本人の私からして立場は弱くなる。ただそこまで見栄を張ることなのか、
確かに彼女の言い分も分からなくもない、たかが料理でも私が母国を押し付けてるみたいで韓国人の立場からしたらいい気はしないもの。
でも、だからと言って私の母国料理に対する冒涜をしていいはずない。しまいにはテヒョンと付き合っていた頃の話を、また引っ張り出してきて。
満足かどうかは知らないけど貴方の大好きなテヒョンは、この料理を美味しいと食べてくれてたよ。____意地悪したいわけじゃないから心にしまっておくが、
「スープは私が作ります。本場のチゲスープですけど(人1)さんに教えましょうか?」
『…大丈夫。私は私で作ってみるよ。食べてもらえなくても平気だから』
「そうですか。…(人1)さんってプライドないんですね。」
いつまでも彼女のペースに合わせたら心が荒みそうだ。少しの反撃を込めて彼女の嫌いな日本料理をあえて、これでもかってぐらい振舞ってやろう。
273人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんこ(プロフ) - 展開が全く読めず、ドキドキしながら読み進めています。10の公開楽しみにしております。 (2022年7月11日 21時) (レス) id: b5da8987a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 一番好きな作品です!更新楽しみにしています! (2022年6月27日 1時) (レス) id: b3bd6e397d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新楽しみにしてました!何回も読んで毎日更新ないか楽しみにしています!大変だと思いますが頑張ってください。とってもおもしろいです! (2022年6月23日 13時) (レス) @page50 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:chay | 作成日時:2022年3月13日 0時