Pseudo romance#9

#418 ページ19

『……あ、グゥ血がでてる！痛くない？』




「あ、…。本当だ。大丈夫だよこんくらい。…(人1)に引っ掻かれた傷跡だって、皆に自慢してやろうかな」





『どうして？』





「こんな所に傷ができるって。俺と(人1)が一つになった証明になる。そしたらやっと諦めてくれるだろうし」





『なにが？、』




「ううん、なんでもない。それよりヒョンの彼女のことなんだけど。あまり関わらない方がいいよ。(人1)を敵対視してるようにも見えたし、危ない」




どさくさに紛れて、私の首筋に吸い付いてきたから。咄嗟に距離を置いた。「ダメなの？」と分かっていながら聞いてくる。天使な顔した悪魔。



私だって堂々としていたいけど、今日マネージャーにグゥとの出演を惜しみながらキャンセルしたと言われただけじゃない、あまり大沙汰にしないでほしいと遠回しに言われてる。



それに、＿＿＿＿





『…グゥ、テヒョンの彼女、ジェジちゃんね。今日からうちの事務所に所属したの。』




「…え、え？！｣







仲良くしてあげてほしいとテヒョンや社長に言われたけれど、



ころころと表情が変わる無邪気な子の裏側に無慈悲で冷徹な表情も伺える、あれが素顔だとすれば。テヒョンが壊れてしまうんじゃないかって。私はジョングクには言えないけれど、密かに心配している。


ただテヒョンにしか見せてない一面もあるのかもしれないから一概に悪者にはできないし、私がこんな気持ちを抱くのも違うとは思っている。





『関わらないって難しいかも。近々彼女の歓迎会も事務所一段となってするらしいし私は絶対に参加だって言われてる』




「…へぇー。その飲み会って勿論、男も『居るよ』




「俺も行こうかな……」



『大丈夫！…すぐ帰るし、そもそも事務所の人の殆どがグゥと付き合ってるって知ってるんだよ？』




「……それでも隣の芝生は青いって言うし。手を出して来る人っているよ。(人1)が知らないだけで、現に！…」




『…？』




「なんでもない」と言いつつむすっとしながら。飲み会の日時が分かったらすぐに教えてと念を押してきた。異性が居るから嫌なのか、最近女優仲間に誘われて飲みに行こうとした時だってグゥはあまりいい顔してなかったし。


いつになったら、不安を取り除けるのかな。

#419→←#417

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す