#415 ページ16
｢ただでさえ俺達は普通の恋人にはなれない。ごっこさえも許されない。だから貴重な時間に喧嘩なんてしたくないし。せめてさ自分の感情に素直になってもいいんじゃないかな、と俺は思う」
消えそうな声、引き攣った笑顔で。私に背を向けては暗闇へ消えていく。行かないで、と引き止めようとしたが声も体も躊躇ってしまった。
好きだからこそ求める、これが自然で当たり前で彼は何も悪くない。それなのに彼の意志に背いてしまうのはグゥはそれでも私の傍に居てくれるって無責任に甘えてるから。
テヒョンのようにがめつくなくて。私の気持ちを一番に考えてくれて。やさしくて、頼もしくて。仕事から私生活まで守ってくれる。
いつも私を最優先してばかりで我慢を強いられている彼に、今私が出来ることって、
『グゥ…っ！』
「…っ！！」
『……、ごめんね。我慢しないでいいよ、』
彼に態度で行動で愛を示すことだと思った。
体は大きくても小さく見えた背中を追いかけて。精一杯腕を回したのだが、言葉と裏腹に彼からため息を聞いた。
散々拒んでおいて私から誘ってくる、このいい加減さに呆れないで居てほしいけど、我慢で苦しめた私にはそれ相応の罰も覚悟してる。
「…ありがとう。でもそれは(人1)の本音じゃないよね。俺に同情してくれてるだけだ『違うよ！…違う』
どんなキスなら分かってくれる？彼の首に腕を回して強引にしたキスに守りなんてない。むしろ私の気持ちは、こんなもんじゃないのに、
どうして。何をしても彼に届かないんだろう。
はぁ、はぁ、と一人息を上げて見上げた彼は何を考えているのか分からない。でも、ここで止めたら彼が勇気をだして告白してくれたことが無駄になる。
『…グゥ、さっき負けちゃったけど私からのお願い。…抱いて欲しい』
彼の背丈に合うように高めなヒールを履いてきた私は彼の唇を簡単に奪える距離感。より一層、心音が煩くなってきた。拒まれたらどうしよう、という不安もあったけど。再度触れるとすぐに目の色が変わる。
腰を掴まれては、引き寄せられ。こっちが怯んでしまいそうなほどの口付けに頬は熱くなった。
それに反してグゥの手はゆっくりと私の体に触れては器用な片手がブラのホックを外した瞬間、
ふと今日の下着のチョイスを思い返してみたんだが、
『…ッグ！グゥ！！！……あのさ、！』
「…っん？」
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あんこ(プロフ) - 展開が全く読めず、ドキドキしながら読み進めています。10の公開楽しみにしております。 (2022年7月11日 21時) (
レス) id: b5da8987a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 一番好きな作品です！更新楽しみにしています！ (2022年6月27日 1時) (レス) id: b3bd6e397d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新楽しみにしてました！何回も読んで毎日更新ないか楽しみにしています！大変だと思いますが頑張ってください。とってもおもしろいです！ (2022年6月23日 13時) (レス) @page50 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chay | 作成日時：2022年3月13日 0時
