#413 ページ14
「暗くて見えない！笑」
『ふふっ、』
誰一人居ない、この空間は。目を瞑っているだけで、さざ波に心癒される。まるで仕事終わりだとは思えないほど元気がありあまっているグゥは砂浜を走り回っては楽しそうにしていた。
そして、「鬼ごっこしようか、」という唐突な提案に思わず笑ってしまった。
『グゥが勝つに決まってるじゃん！』
「分からないよ。砂浜は走りにくいし、視界は暗いし。(人1)にハンデあげるよ、開始1分間俺は追いかけないでいてあげる。しかも俺はライトなしで(人1)を探す」
『…ええ大丈夫？一生見つけられないかもよ？』
「ううん。俺は見つけるよ。…見つけたら、俺のお願い一つ聞いてくれる？」
『……うん。分かった』
せーの、で始まった鬼ごっこ。1分数える彼の姿がすぐ消えてなくなった。夜の海ですることじゃないにしても日中は動けない私達にとって、一歩外に足を踏み入れることですら、かなり大胆すぎる行動に思えた。
二人で外を出歩けること、当たり前のようで当たり前じゃない。いかにリスクがあるか、それでも行こうと誘ってくれた彼が今日こそ、ずっと笑顔でいてくれますように。
ライト無しで見つけるなんて結構無謀すぎる気がするけれど彼が真剣なら私も真剣に。
誰も居ないからこそ息を潜めて。物陰に隠れていよう。
「……、あ！(人1)！」
『え？！…きゃあ！！』
まさか、と思いつつ開始数分。グゥの声に顔を上げてすぐさま。物凄い勢いでおい被さってきた。砂浜がクッションになって、打撃すらあまりなかったけれど趣味が筋トレである彼の体は時に武器となり、私の自由を簡単に奪っていく。
耳を澄ませば聞こえるのは、潮の満ち干きとジョングクの吐息。体をがっちり掴まれて身動きできないまま数分。
『私の負け！離して！』と降参したのに。むくっと顔を上げては、「好き、」という言葉とキスが降ってきた。
久しぶりに彼の唇に触れたかもしれない。ちゅっと触れるだけのキスがとても遠慮がちで。だけど至近距離で見上げる彼の瞳はまだ物欲しそうにしていた。
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あんこ(プロフ) - 展開が全く読めず、ドキドキしながら読み進めています。10の公開楽しみにしております。 (2022年7月11日 21時) (
レス) id: b5da8987a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 一番好きな作品です！更新楽しみにしています！ (2022年6月27日 1時) (レス) id: b3bd6e397d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新楽しみにしてました！何回も読んで毎日更新ないか楽しみにしています！大変だと思いますが頑張ってください。とってもおもしろいです！ (2022年6月23日 13時) (レス) @page50 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chay | 作成日時：2022年3月13日 0時
