Pseudo romance#9

#410 ページ11

日本の子は、大人しいというのが大前提にあったから。


俺も馴れ合うつもりは一切なく、蓋を開ければ同じ人間だと分かった上で最初は気の迷いだと思ったんだ。日本人は偏見で何かと毛嫌いされてもいたし。




テヒョンヒョンが俺の身代わりになってくれるのを申し訳なく思ってはいた。



でもテヒョンヒョンは初っ端から言っていたんだ、【日本人だからって才能や人格を決めつけるのはおかしい。あれほど魅力に溢れてる子はいない】って。




だからこそ(人1)はテヒョンヒョンに恋をしたんだろうなと考えさせられた、でも俺だってタッチの差だとは思う。テヒョンヒョンに言われて気づいた魅力も、俺が気づいた魅力も。


引き寄せられ恋に落ちた、れっきとした理由であるから。





好きを鵜呑みにしないガードの固さも不意に見せる弱さも。駄目なことは駄目だと教えてくれる芯の強さも。


本気で愛した前の彼女とは違う、それは少しずつ俺の心に大きな足跡を残して。抜け出せない沼となっていった。





いつかジミン氏に聞かれた、なんであの子を好きになったの？って。当時は口を濁したけれど、今のジミン氏なら分かってくれるんじゃないかな。





誰にもバレたくなかった彼女の魅力は、付き合った瞬間から日に日に増していく。可愛いだけじゃ言葉が足らない。俺以外の男を目に映さないでほしい。


こんなに束縛しても尚まだ彼女は能天気に、【女の子だけで飲みに行ってもいい？】苦し紛れに頷いた俺の言動を信じている。





俺を苦しめるつもりは全くないと分かってはいる。でも。女の子だからいいと思ってる浅はかな考え。自身の酒の弱さ。押しの弱さ、本人は何も分かってないんだ。




心配性だって、俺を咎める前に。こうならない努力をしようよ。



結局、(人1)を前にすれば。分かったよって言葉で片付けさせられるんだが過去を縛って俺が一番でないと気が済まないんだと我儘放題。言い過ぎなのは自覚があった。





俺が過去で学んできたものとはなんだろうか＿＿＿＿









【おはよう。二人で海辺でも行きませんか？】




【突然だね。】




【今日仕事が早く終わる予定なんだけど、】




【うん、】




【迎えに行く。都合のいい時間、分かったら教えて】

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